2018年2月14日水曜日

夕映え

 夕映えの最後の色だけ見て階段を下った。雪を被っていたアロエが凍結して枯れた。どこかで火事が起きた。近所の消防署の出張所がサイレンを鳴らした。カーブから曲がった道を左に逸れたところに家がある。交差点の真ん中に街頭が吊されている。家の電灯みたいにど真ん中に吊されて明るい。交差点に信号機はないが人々は渡る。警告の為に道路が赤く塗られている。雪も溶け残っているのは僅かだった。観念から抜け出すには。「バカ安市」が八百屋で開催されていた。二階が濁った白い照明で照らされていた。人通りが多かった。警官が見張っていた。伐採された後の植木みたいな桜が駅前のバス停の広場にあった。ここまで歩いてくる間に日が暮れた。完全に暮れた。今思い出している。雪に埋まっていた自転車も今は剥き出しで放置されている。撤去されない。八千円で返還される。コーヒーを買って帰った。
 それから仕事に行った。