2017年12月18日月曜日

自転車で池袋まで行った日の話

 たまには運動しようと思って、家から真っ直ぐに池袋近辺まで延びている道があるのを知って、片道三十分くらいかけて自転車に乗った。
 途中までは、近隣の駅があるので道でも行き慣れているが、その先は未知だった。
 S区は自転車専用道路が充実している。
 どこまで行っても自転車専用道路がある。
 車道の幅をそれだけ取れているってことだ。
 覚醒感が必要なので、途中で缶コーヒーを飲んだ。
 東長崎駅か、南池袋の辺りで、首都高速か、バイパスか、とにかく高架と互い違いに入れ替わっている幹線道路があって、そこを左に回る。
 行きは高架の上の道を通った。ツチノコの形みたいに、上がって、下がるだけの道だったので、自転車ではソンをするばかりだった。
 その高架の下の道の、端っこの方に、自動販売機に関連のあるおじさんが、立っていた。
 鳥居とネコの話をしていた。
 そのとき、というか自転車に乗ってからずっと、耳元でラジオを聞いていた。
 耳の側にスピーカーがある。
 それには変わりはない。
 イヤホンを差しながら自転車を公道で走らせたら、これは立派な犯罪である。
 特徴のない「○○丁目交叉点」の信号を、右に曲がる。
 左手には、式場だか、大学だかの敷地が延々と続いていた。
 ここは、今度は歩道が車二台通れるほど広くて、歩道の中に自転車レーンが設置されていた。
 このあたりで、コーヒーの効き目が現れてきた感じだ。
 突き当たりに有名な消防署がある。
 あとは、目隠ししてもジュンク堂へ辿り着ける。
 ジュンク堂の地下には、めったに使用しないが、駐輪場のスペースがある。
 それでも、フロア半分くらい、自転車で埋まっていた。
 池袋のジュンク堂まで、自転車で来る物好きがいる。
 ミシェル・レリスの「軍装/FOURBIS」だけ買って、帰った。
 帰りは、下の道を使った。下を、都電荒川線が通っていた。
 思いのほか、線路待ちが長かった。
 もう日が暮れている。

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